経巻相承
経巻相承
きょうか(が)んそうじょう
後世の人師の教えによるのではなく、師と仰ぐ仏の経文または元祖の書物を通じて、直接その師の教えを承け伝えること。
日什門流において重んじられる考え方だが、日蓮聖人が釈尊や天台・伝教を師と仰いだのも、経巻相承といえる。
什門日鑑の『什師直授略』には「什師仰に云く日金記予不思議に大聖人の開目抄上下如説修行抄、已上三巻の御書を感得し一たび拝見し奉り、多年の疑氷頓に解す、故に天台過時の迹門を捨て、高祖応時の本門に帰し自ら御書を師匠と憑み、直授相承し奉る者なり、是れ則ち経巻相承の質なり云云」と、その相を示している。
日什当時の室町前期は同一門流内においても互いに法脈の正潤、嫡庶の粉争が甚しく、唯受一人口伝相承の状態にあり、他宗から改宗した者は傍系視された。
このために日什は経巻相承を立てたのであるが、これは祖道復古の叫びともいえる。