身延参詣記
身延参詣記
みのぶさんけいき
ジャーナリスト・歴史家の徳富蘇峰(一八六三-一九五七)の書いた紀行文。
昭和三年(一九二八)六月三-四日にかけて身延山と七面山に参詣した折の作品。
『人間界と自然界』(民友社刊)に所収。
身延山にある清兮寺(せいけいじ)にて開帳し、杉田日布法主と会い「身延文庫の珍籍」を観覧、草庵跡などを巡った後七面山に登った様子を記している。
「身延文庫」の閲覧は、大正一○年(一九二一)に参詣した時に果せなかったため、今回の身延参詣に当って第一の目的としたものであった。
「身延は実に霊山である。今では余りに民衆的の参詣者雑沓するが為に、通俗化してゐるが、日蓮上人の当時に於いては〈此処は人倫を離れたる山中也、東西南北をさつて里も遠し。(略)かかる不思議なる法華経の行者の住処なれば、争か霊山浄土にをとるべき〉との言の、正しく其通りである可かりしこと、首肯せられた」との記述がみられる。