賢人
賢人
けんじん
才智が明らかな人・行徳がある人・勝れた人・賢者の意。
仏教では聖者に相当する人・聖人に比べてその次に位すべき才徳がある人、即ち賢位に立つ人・聖人の教誡に服従して徳を修め理非をさとし、人に己の無知を教える人を指す。
日蓮聖人は好んでこの語を用いる。
大別すれば、
(1)日蓮聖人自身を賢人とし、自己の行実に比す。
「賢人の習、三度国をいさむるに用ずば、山林にまじわれということは、定るれいなり」、「賢人のならひ、心には遁世とはをもはねども、人は遁世とこそをもうらん」(『報恩抄』)、
(2)正法護持・国家擁護の王臣に比す。
「日蓮の国諫を聴かざるは、国に賢人なきに由る」(『種種御振舞御書』取意)、
(3)法華経のみを持ち、余行を交えぬことを、賢人が一主君にのみ仕え、二君に仕えぬことを例える(『下山御消息』)等である。
《『遺文辞典』歴史篇「賢人」「賢者」の項》