あくたがわりゅうのすけのおだいもく
芥川龍之介(一八九二-一九二七)が大正一四年(一九二五)六月一四日、三三歳の時に書いた南無妙法蓮華経の七字。
身延山に奉納するために、日蓮宗の熱心な信者である異母弟の新原得二(当時二七歳)に与えたもの。
楷書体の一遍首題で年月日と自らの名を記す。
枕頭にかかげられ、のち芥川家に所蔵。
昭和五二年(一九七七)七月、日本近代文学館で開催された没後五〇年「芥川龍之介展」にて公開。
仏典に題材をとった『蜘蛛の糸』と共に、芥川龍之介と仏教とのふれあいを示す貴重な作品。
《浜島典彦『お題目と歩く―近世・近現代法華信仰者群像』》