聖霊
聖霊
しょうりょう
精霊もしくは単に霊ともいう。
死者の霊に対する尊称。
または肉体と区別された精神的なものをいう。
元来、仏教では肉体と精神(霊)とを区別して霊を立てない。
しかし仏教が中国へ流伝するに及び、中国思想、特に儒教と交差する中で、仏教の空を詮明化し、三世観を主張していくところに霊魂不滅の考え方、並びに肉体以外に心や霊を立てる考えが出てきた。
そしてこれが仏陀論との関係から、心や霊の存在を固定化し、日本に至っては民間の呪術信仰と融合して、霊魂、悪霊、亡霊、精霊などと区別されて人々の間に定着していったのである。
殊に心や霊を肉体と区別し、それに固定的な意義を見ようとすることに批判の目を向けた一人に道元があるが、日蓮聖人も『六波羅蜜経』の「心の師とはなるとも心を師とせざれ」(定九三三頁等)の文を引用し、仏界即九界を詮顕した点は同様の立場にあるといえる。