老人福祉
老人福祉
ろうじんふくし
わが国の老人福祉の中心をなす老人福祉法(昭三八年=一九六三)は、老人人口の増加、就労の困難、私的扶養の減退、社会環境の変化等に促されて制定されたものである。
その基本的理念として「老人は多年にわたり社会の進展に寄与して来た者として敬愛され、かつ健全で安らかな生活を保障されるものとする」ことも掲げ、この理念の具体化として法により行われる福祉施策は次の通りである。
(1)「老人の健康診査」。
対象は六五歳以上。
一般検査と精密検査があり、低所得の「ねたきり老人」には訪問診査を行う。
(2)「老人医療費の支給」。
老人が医療保険によって受診した時、一部負担金を市町村が助成するものであるが、所得制限がきびしく、対象年齢が高いことなどに問題があるとされる。
(3)「老人ホームヘの収容等」。
老人福祉施設は養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホームがある(有料老人ホームは老人福祉施設には属さない)。
(4)「在宅老人サービス」等としては、ねたきり老人対策事業(老人家庭奉仕員の派遣、日常生活用具の給付、貸付)、ひとり暮らし老人対策事業(老人電話相談センター設置、介護人の派遣)、生きがい対策事業(就労あっ旋、老人クラブ助成、老人社会奉仕団活動の助成、老人スポーツの普及)、在宅老人機能回復訓練等があげられる。
以上の老人福祉法に基づく老人の生活保障のほか、老齢年金による所得保障があるが、老令年金の給付水準に格差があり、特に福祉年金は低いなどの問題が指摘されている。
わが国の老人福祉法に掲げる基本的理念の実現化にはなお幾多の問題があり、特に財政措置の必要性が指摘されると同時に、家庭や社会の中での老人として捉え、また物心両面の充実を考え、「生きがい」を支える宗教の力を重視すべきであろう。
本宗寺院の老人ホーム経営は数ヵ所である。