居開帳
居開帳
いがいちょう
開帳の一種。
開帳神仏のあるその寺社において行う開帳。
これに対して、他の寺社を開帳場所として、そこに出張して行う開帳を出開帳という。
開帳は江戸時代に最も盛んに行われており、そこでは原則として三三年に一度五〇日-六〇日間行われる長期間のものと、寺社の年中行事の一環として縁日や法会などの節に、一日-数日間行われる短期間のものとがあった。
長期間の開帳には出開帳も多くみられ、その目的は寺社修復のための募財に主眼が置かれていた。
短期間の開帳はその性格からほとんどが居開帳で、あるいは(居)開扉と呼ばれることもあり、宗教行事として衆生に縁を結ばせる目的はともに同じでも、長期間の開帳に比べ宗教的関心を高める効果は強かった。
江戸における長期間の居開帳については、承応三年(一六五四)の浅草浅草寺の開帳が最も早く実施された例で、日蓮宗では享保一八年(一七三三)に武蔵国大久保の法善寺が七面大明神を開帳したのが最初である。
以後江戸での日蓮宗寺院の居開帳は六〇ヵ寺延べ一〇〇回を数えるが、その主な寺院を挙げれば、本所最教寺(四回)・春慶寺(四回)・本仏寺(三回)・浅草妙音寺(三回)・谷中延命院(三回)・妙福寺(三回)・芝円珠寺(三回)・牛込円福寺(四回)・雑司谷大行院(三回)・千駄ケ谷仙寿院(三回)・堀之内妙法寺(三回)などである。
次に短期間の開帳について、年中行事として実施されていたものをみれば、祖師開帳(正・五・九月、浅草長遠寺、堀之内妙法寺)、七面開帳(正・五・九月高田亮朝院)、鬼子母神開帳(正・五・九月、本所本仏寺、上妙寺、四谷戒行寺)、妙見開帳(正・五・九月、柳島法性寺)、毘沙門開帳(正・五・九月、浅草玉泉寺、神楽坂善国寺、芝正伝寺)などが知られており、このほかにも月並行事としての開帳、一〇月の会式における祖師開帳などがあった。
《『国史大辞典』三巻「開帳」の項》