宗門綱格
宗門綱格
しゅうもんこうかく
一巻。
寂照院日乾(一五六〇-一六三五)撰。
慶長七年(一六〇二)一〇月成立。
慶長七年に後陽成天皇に献上し、日蓮宗義を顕彰せんとしたものである。
豊臣秀吉の千僧供養会をめぐり、不受を主張して妙覚寺を退出し、秀吉に諫状を、後陽成天皇に奏状を呈した日奥に対抗し、受派の立場を顕彰せんとしたものとも推測されている。
全二六丁からなり、「一には宗教を明かし、二には宗致を啓き、三には外難を遮し、四には行者の用心を叙ぶ」と四門を立てて宗門の大旨を論述する。
第一門は五綱を、第二門は宗旨(三秘の義)を、第三門は相待・絶待、権・実、偏・円を、第四門は行者の弘経用心を説き、天台教学にのっとった一般仏教学的な宗義の開陳となっている。
その思想内容は日重の教学と共通しているが、本書の組織成文は日乾自身の手によるものと考えられている。
本書の献上により、日乾は紫衣を賜った。
本書は鷹ケ峰檀林等において伝承されていたものと思われるが、寛政四年(一七九二)本の跋文によると、水戸侯儒医森尚謙著『護法資治論』の後篇に付載されていたものに、京都広布山日注が元本を得て上梓したという。
《渡辺宝陽『日蓮宗信行論の研究』》