妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

夫婦宗論物語

ふうふしゅうろんものがたり #1416

夫婦宗論物語

ふうふしゅうろんものがたり

仮名草子。 作者不詳。 寛永末から正保頃の刊。
「一人の子をば禅宗の弟子に奉」った夫婦がいる。 その夫婦とは「念仏三昧の道場に赴き、一念弥陀仏、即滅無量罪、現世無比楽、後生清浄土」を祈る夫と、「日蓮上人の流れを汲みて、法華妙典を戴き、五の巻提婆品に深達罪福相、遍照於十方、微妙浄法身、具相三十二」と祈る妻だったので、二人の間で信仰上の問答が展開されるが、最後に息子が一切皆の法を説いて仲を直すというのが本書の構成である。
禅宗に優位を認める結末のようなので、その関係者の作かとも推測されているが、「父母もろ友(とも)に我偏の和(やわらぎ)て、心々の仏道修行す」という末文に見られるように、他宗を全く否定するというものではない。
問答中で妻が「大きに腹を立て」ると、それを夫が「弥陀の誓願は、左様に情強(じようごわ)には候はず」と笑うようなところに「法華の情強」という諺を生むに至った法華宗徒の生態が捉えられている。

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