十鬼
十鬼
じっき
きわめて煩悩深い者が感じる一〇種の鬼魅のこと。
鬼魅というのは悪道に堕在し、鬼畜野干等の身を受けた霊鬼、もののけで、人の心をひきつけ迷わすもののたぐいをいう。
諸経にこの鬼類を説くが、『首楞厳経(しゆりようごんきよう)』に説く十鬼は簡にして要を得ている。
(1)怪鬼=金銀草木等の精怪。
宿世に貪欲多くして非理に物を蓄う者がこのむくいを感ず。
(2)魃魅=旱神(ひでり)・よく風に託す。
宿世に婬欲多き者がこのむくいを感ず。
(3)魅鬼=狐狸等の精。
畜類に託す。
宿世に詐偽多く、人を惑乱する者がこの報を感ず。
(4)蠱毒鬼(こどくき)=毒虫にして、よく人に害を与えるもの。
毒類に仮託す。
宿世に怨結固く捨てられなかった者がこの報を感ず。
(5)癘鬼=疫癘の類。
宿世に瞋恚多き者がこの報を受く。
(6)餓鬼=飲食の機会なく常に飢餓に苦しむもの。
宿世に慢多くして人をあなどる者この報を受く。
(7)魘鬼=昏睡の人を惑すもの、虚空・暗冥に託す。
宿世に欺誑多き者がこの報を受く。
(8)魍魎鬼=山川に寓し、その形を託して木石の怪をなすもの。
宿世に邪見強く妄りに執著を生ずる者がこの報を感ず。
(9)役使鬼=重役の労をとる。
宿世に枉曲多く、人を無実の罪に陥れたりした者がこの報を受く。
(10)伝送鬼=人身に付託して、吉凶禍福の言をなす者。
宿世に争訟を好む者この報を受く。