内房尼
内房尼
うつぶさのあま
(生没年未詳)
駿河国(静岡県)内房に住む日蓮聖人の檀越。
『内房女房御返事』によれば、弘安三年(一二八〇)に内房女房はその父を失ったことがみえ、八月九日には百ヵ日の追善のため布施十貫文を身延の日蓮聖人へ送っている。その内房女房の父が内房尼の夫であるとすれば大中臣氏ということになる。
『三沢抄』によると、この尼は「をや(親)のごとくの御としなり」とあり、相当の高齢であったことがうかがえる。
同書には、尼が氏神参詣のついでに身延へ参詣したとき、日蓮聖人は尼の身でありながら仏を先としなかった本末の顛倒を誡告し、それを知らせるために対面せずに追い返したことが記されている。
《『遺文辞典』歴史篇「内房の尼ごぜん」の項、『昭和新修』別巻「内房尼」「内房女房」の項、『日蓮辞典』「内房の尼」の項》