いちじずいひつ
岡西惟中(一六三九-一七一一)の随筆。
天和三年(一六八三)刊、一巻。
書名は著者の一時軒と称した号による。
本書は医家であり、談林派の論客として文芸にもよく通じていた著者が、古今和漢の奇語異辞、詩歌連俳、宿儒老仏、霊祠名刹の故実など、七九条を例証引喩によって列挙したものである。
とりわけ「日蓮聖人の事」の一条があり、法華宗門について著者の感想を述べている。
特に京都立本寺の日審・通称壺日審(つぼにっしん)とは面識のあった立場で、これを殊勝の名僧と讃えながら、しかしその一方で法華宗の欠点は「ひたすら偏我の相」のあることだとも評している。
《『日本随筆大成』二―二》