さかわ
神奈川県小田原市酒匂。
酒匂川の左岸河口にあり、相模湾に面する。
地名の由来については諸説があり定かでないが、相当古い地で、『吾妻鏡』『海道記』『源平盛衰記』『曾我物語』など鎌倉期の書に見え、既にこの頃にはかなり拓けた宿場のごとくである。
文永一一年(一二七四)五月一二日、鎌倉を出立した日蓮聖人が、その日ここへ宿泊したことは『富木殿御書』によって明らかである。
済渡山法船寺はその跡といわれ、寺伝によれば、済渡法船と号するものが宿泊の因縁によって、後日わが家を寺と改め、越中阿闍梨朗慶を請じて開山第一祖と仰ぎ、自ら開基となったという。
《『遺文辞典』歴史篇「さかわ」の項》