補施集
補施集
ふせしゅう
一一二巻。
行学院日朝(一四二二-一五〇〇)の著した法華経二八品、開結二経、天台三大部等の注釈である。
身延文庫の『当山部目録』によると、この注釈書は一一二巻にのぼる。
その著述年代は日朝の晩年にあたるもので、奥書に見える最初のものは文明一三年(一四八一)八月の『開経』の註釈で日朝六〇歳にはじまっている。
そして恐らく絶筆となったものは明応六年(一四九七)八月二〇日に記された序品第七巻であろう。
つまり本書は日朝晩年の一七年間に亘って法華経等の注釈がなされたものである。
その間、日朝は二、三度病床に臥し、明応年中には世上が混乱して学室を去って山中に避難をしている。
『補施集』著述の意趣は、その奥書から推測すると、仏祖三宝への報恩と令法久住広宣流布の願いにあり、そして、日朝の有縁無縁一切衆生に対する法施ということである。
特に本書は多くの先師の著書の引用文からなっており、奥書には「書写力」による廻向がしばしば記されていることから五種行の「書写」に擬せられたものであろう。
正本、身延文庫蔵。