五略十広
五略十広
ごりゃくじっこう
天台大師講述『摩訶止観』の構成をいい、第一章の五項を五略、第一章から第一〇章を十広として、古来から『止観』は五略十広の組織であるとされている。
第一章は一〇章の大意を五項にわたって略説し、これを広説したのが一〇章で、広略の違いはあっても内容に相違はない。
五略と十広との関係は、第一章大意、第二章釈名、第三章体相、第四章摂法、第五章偏円が第一項の発大心、第六章方便、第七章正観が第二項修大行、第八章果報が第三項感大果、第九章起教は第四項裂大網、第一〇章指帰が第五項帰大処に当る。
第一章から第五章までは止観修行に先立ち、まず円頓止観に関する理解を与えようとし、第六章は正観の準備や用意、第七章は実修の方法、第八章は実修によって獲得された証果、第九章は教化能力、第一〇章はこれら一切の帰趣たる大涅槃を明らかにする。
但し本書は第七章の十境中の第七諸見境で講説を終る。
《『遺文辞典』教学篇「五略」「十広」の項》