老子
老子
ろうし
道教の開祖。
またその著述を指す。
姓を李、名を耳、字を耼(たん)または老耼という。
楚の苦県に生れ周の役人(守蔵室吏)となり、そのころ孔子との交わりがあったという説がある。
今日の学説では、孔子より一〇〇年ほど後輩または架空の人物とされる。
書物として『老子(老子道徳経)』二巻があり、成立は漢時代の初期(B.C.二〇〇)の頃で、注釈書として魏の王弼(おうひつ)の注が現存する最古のもの。
日蓮聖人遺文中『開目抄』に「老子は孔子の師なり」また「無の玄、老子等。」(定五三五頁)、「弘決云く清浄法経に云く」(定五三六頁)とて顔回、仲尼等が菩薩と称せられたとともに老子も迦葉菩薩といわれ、自然界の起源は虚無であるとするが、眼前の物欲を調節すれば空の門に入り得るとて、老子の思想を仏法の初門とされている(但し、清浄法経は偽経とされている)。
《『遺文辞典』歴史篇「老子」の項、『中国史籍解題辞典』(燎原書店)「老子道徳経」の項》