妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

真間(弘法寺)

まま #4238

真間(弘法寺)

まま

千葉県市川の真山弘法寺(ぐほうじ)の通称。
『万葉集』の真間の手児奈の伝説で著名なこの地にある弘法寺は『四時遊観録』に「下総真間弘法寺本堂の前、石階を登りて有り。
一本なり」という楓で有名で、染井の躑躅(つつじ)、飛鳥(あすか)の花、真の紅葉」(風来山人『神霊矢口渡』)と並び称されていた。
『増補江戸年中行』の「紅葉見」の項にも「下総真弘法寺(江戸より三里、舟路よし)、古木にて名木也」とあるが、『江戸名所図絵』には「楓樹 釈迦堂の前にあり。
今は枯株となりて、其形を存するのみ。
むかしはわたり四五丈にあまりしとなり。
所謂真の楓と称するもの是なり」とあって既に枯株となったことを借んでいる。
この楓のことは日蓮聖人御書には全く見えないので「日蓮の哥にもみへず若楓 史邦」(『芭蕉庵小文庫』)と俳句によまれているが、他にも江戸小咄に「本所から来る菜うりに『何んと、真間の紅葉はもふよいか』と聞けば『ナアニ、紅葉はもふ赤くなりました』(『鹿の子餅』)と言われ近代に入り、狂歌に「真間の紅葉をたづねて 暮なんと気をもみぢばの友もあらば独り残らんあゝまゝの皮 桧皮釘武」(『徳和歌後萬載集』巻三)と詠まれ、川柳に「うどんよりほかに思案のない紅葉」(『誹風柳多留拾遺』初篇)と作られるほど庶民に親しまれていた。
なお右の川柳の意は、江戸から真までの道中には遊び場がないので、行徳名物のうどんを食うより他に楽しみがないということである。

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