本迹対論用意抄
本迹対論用意抄
ほんじゃくたいろんゆういしょう
二巻。
中正院日存(一四三六-八〇)述。
文明五年(一四七三)述作。
『宗全』五巻所収。
日存は京都妙満寺第一四世、品川妙蓮寺第二世。
本書上巻は文明二年(三五歳)、下巻は文明五年(三八歳)に著されたもので、それより七年の後、文明一二年四月二四日、日存は四五歳にして入寂した。
本書は本迹問答に備えたもので、上巻に「迹門無得道違文之事」を始めとする一〇の項目、下巻にも同じく「故但於名以分本迹事」を始めとする一〇の項目を立て、顕本法華の義に立脚して従浅至深の本迹勝劣を論じている。
即ち本迹勝劣・迹門無得道の立場から本迹を論じ、本迹相対すれば仏の在滅や本門の未顕已顕に関わりなく迹門は無得道であるとするもので、本迹一体説を破折せんとしたものである。
これに対し常寂院日耀(松崎顕実寺第一一世)は『本迹一致対論用意抄』を著し、本迹法体同・未顕勝劣・已顕一致を立てて日存の義を難じた。
これを機に教団内に再び本迹についての論争が展開されるにいたったのである。
《執行海秀『日蓮宗教学史』、望月歓厚『日蓮宗学説史』》