埴谷抄
埴谷抄
はにやしょう
一巻。
久遠成院日親(一四〇七-八八)著。
文明二年(一四七〇)五月一三日述作。
なべかむりで有名な日親は下総国埴谷(千葉県山武町埴谷)の生れである。
彼はその純粋な求道と激しい折伏のために出身の中山法華経寺から破門されていたが、彼の六〇歳頃和解の話が進み、文明二年に故郷の義兄弟埴谷次左衛門尉が書状をもって、中山への復帰を促した。
これに答えて次左衛門尉に送ったのがこの『埴谷抄』で、この中で日親は自らの正義の生涯を叙述し、中山のこれまでの法理の誤りを列記して、中山貫首の改悔を求め、日蓮正統の行者としての自信を披瀝した。
本法寺一〇世日通の所持本が影印に釈文を付して『本法寺文書一』に収録。
版本の影印本が『日親上人全集1』に、活字本として『日蓮教学研究所紀要』一号に収められている。