四巻法華
四巻法華
しかんほっけ
「しかんぼっけ」とも。
『法華経』八巻の内、前半四巻と後半四巻に勝劣を立て、後半四巻によって法華経の教理を立てること。
石山派の栄心が正善院日長(一七二六-一八〇九)の『祖書拝見正議略記』『法華経本迹正論』に対して著した『除悪彼親抄』(『日蓮宗教学史』二九一頁は栄心著とするが『日蓮宗宗学章疏目録』三三一頁は日達の著と記録している)に論述されている。
日長は、更に『本化宗法一道記』二巻を著して栄心の所論に批判を加えた。
それによると栄心は「本門肝心」「本門南無妙法蓮華経」等の祖文によって、法華経本迹二門のそれぞれに実相(二実相)と体(二体)を論じ、本迹一致の義は迹門宗、本勝迹劣は本門宗とした。
このような栄心の本勝迹劣義は法華経本門の四巻に立脚したものである。
四巻法華は『法華経』一部八巻を二分し後半四巻(本門)によって教義を立てる。
本門は、第五巻の後半従地涌出品第一五から普賢菩薩勧発品第二八までの一四品であるから、厳密には、四巻法華とは三巻半の本門のことである。
日長は、本勝迹劣を立てる栄心の「四巻勝劣」を、「闇に高祖をして仏法破滅の謬解あらしむるの邪計たる謬り也」(『本化宗法一道記』下巻一八丁)と破している。