顕妙抄
顕妙抄
けんみょうしょう
現在本宗の加行所において、初加行僧に相承する最も重用な相伝書のことである。
本抄はもと「御符書」と呼ばれていたものを、元禄五年(一六九二)遠寿院日久が修法相伝の師、法性院日諦の許しを得て『法華顕妙抄』四巻と改称したものであるが、日久は同書を享保五年(一七二〇)にも書写している。
現在伝授されているものは享保五年本の改編である。
爾来遠寿院行堂の主要相伝書として伝えられて来たのであるが、江戸から明治への時代の移り変りと社会生活の変遷は、相伝制度にまで及ぼし、この抄の再編成となったのである。
明治三〇年から同四〇年(一八九七-一九〇七)にかけて、『法華顕妙抄』四巻は新時代即応のためということで、その内容に取捨選択が行われ「法華」の二字が削られ、ただ『顕妙抄』と名付けられて六巻あるいは七巻にまとめられた。
大正中期以降は八巻本となって現在も相伝されている。
その改編に際し左記の如く五段に分類し、加行の了解を助ける配慮がなされている。
即ち、死霊段・生霊段・狐着段附咒守・疫神段・咒詛段・御符書・守礼剣形・狐着段御守咒の順となっている。