妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

行合川の弁

ゆきあいがわのべん #4681

行合川の弁

ゆきあいがわのべん

繰り弁の一つ。
文永八年(一二七一)九月一二日竜口法難にて、日蓮聖人の頸切り難しを告げる注進の状と、聖人の頸を許す赦免の状とが、金洗沢にて行合う情景を語った段。
一般に文八と呼ばれる一連一三講話中の一つで、本弁を竜口の情景、鎌倉御殿の情景、金洗沢の情景の三節に分けて語る場合もある。
本弁は竜口刑場にて平左衛門尉頼綱を始め警固の役人等は、聖人の頸を斬ることができず、その旨を言上する注進の状を持って、宇都宮貞綱が鎌倉御殿へ走る。
一方鎌倉御殿でも「正法の行者を失うならば、国の柱を倒すが如し」と、天の御告げがあり、執権北条時宗は驚き、急ぎ赦免状を書いて南条七郎に持たせ竜口へ走らせる。
そして宇都宮貞綱と南条七郎は金洗沢にて行合う。
依ってこの川を行合川と言う。
両者は注進の状と赦免の状とを鞭の先に結び付けて投げかわし、七郎は注進の状を鎌倉御殿へ、貞綱は赦免状を持って竜口へ駈け付ける。
役人は待ちに待った赦免状を手にして、やっとの思いで読み上げるという内容で、法華経の威光と、その守護を受けた聖人の偉徳とを語る弁である。

← 事典トップ