禽獣の祟
禽獣の祟
きんじゅうのたたり
非命に殺害された禽獣が、悪鬼となって怨報の祟りをもたらし、病災、障害をなすこと。
禽獣の中には「単生」と「続生」のものがある。
「単生」というのは、初めてこの世に生を受け、死んで再び生を受けないもの。
その情念は淡薄であり、怨恨の力を有しない。
禽獣魚介の多くは単生である。
「続生」というのは二度三度ないし無量億この世に生を受けて展転としてきたもの。
その情念は執念深く、知覚があって怨恨の力を有するとされるもの。
この「続生」の禽獣が殺されようとするときに“死んで後、悪鬼となって、おのれを犯し、殺害し、その肉を食う者を必ず悩殺せん”と怨報を誓う。
この祟りによって人間は疫癘に悩まされるのだという。
しかしながら法華の行者は、鳥獣解脱の秘法を得ているのであるから、大慈悲力を起して、至誠に法を修し、その怨み怒りを解き、速やかに善界に転生せしめ、衆生を利楽することに努めるべきである。
《『法華験家訓蒙』》