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法華宗旨問答抄

ほっけしゅうしもんどうしょう #3838

法華宗旨問答抄

ほっけしゅうしもんどうしょう

本書は肥後阿闍梨日像(一二六九-一三四二)の著で、日像が所弘の法を法華宗と名乗ることに対し諸宗の攻撃をうけたが、法華宗とは三相承の宗名であり、法華経によって立てた名であることをあげ、それを問答によって証拠だてた。
また法華宗は破権と開会を二つながら具える教えであると決し、法華宗は何故に諸宗を無間の業人というやの問に対し、専らこれは経説の示すところ、諸宗の人師が法華を謗ずるはその祖師の釈疏に明白であると示し、早く法華を信じて災難を止め、を安穏ならしめんことを、と述べている。
本書にはまだ天台宗より法華宗と名乗ることに対する訴状ないし攻撃が見えない。
ち徳治二年(一三〇七)五月の追放宣旨に「法華法門の宗と号して諸経を誹謗す、其心更に止観明静の行者に非ず」と責められたのに対し、日像「非を簡んで是を顕すは止観の文言也、誰か止観明静の行者に非ずといわんや」と陳弁言上しているのと比較すれば、本書は追放宣旨以前、弘通効果がそろそろ上りはじめたころ、諸宗よりの批判攻撃が高まりしかもまだ叡山よりの抑圧が加わらぬ前、入京以来おおむね七・八年、正安・乾元(一三〇二)のころの成立ではなかろうか。
これらの過程を経て叡山より圧力が加わり徳治二年最初の追放となるのである。
『宗全』上聖部所収。

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