比企能本安国論内閲の弁
比企能本安国論内閲の弁
ひきよしもとあんこくろんないえつのべん
繰り弁の一つ。
祖伝中、比企大学三郎能本が聖人のしたためられた『立正安国論』を内見する段である。
立正安国論は文応元年(一二六〇)七月一六日、前の執権最明寺入道時頼に呈出するのであるが、これに先だち聖人は当時幕府の侍読学士であった比企能本に内見を願った。
「立正安国論一巻、献上の上は侍読学士が披講するに相違なし、されば今の文章博士は比企ケ谷の大学三郎能本という人なり、此の人に一応内見を願わんと存ずる」という聖人の御心をうけて、日朗が使者となって内見は実現、比企能本は不明の個所を日朗に質問、その問答の中から能本の信仰はかたまり、入信に至る。
比企能本の入信については諸説あるが、本項では伝承にしたがった。
かくして安国論は呈出されたのである。