妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

曽我物語

そがものがたり #3273

曽我物語

そがものがたり

一〇巻または一二巻。
作者不詳。
原本は南北朝初頭ころ成立か。
曽我十郎・五郎兄弟が忍苦一八年の末、建久四年(一一九三)五月に父の仇工藤祐経を富士山麓の狩場で討つ物語。
捕えられて殺された兄弟への同情とそのたたりに対する恐れは、後に二人を富士郡(現・富士宮市)六十六郷内の御霊神として祭ることになるが、この物語はそのような宗教的土壌の唱導の場で生成したもののようである。
まず真字本が成立し、やがて仮名字本へと展開していったと思われるが、その古本系真字本三種のうち、本門寺本は天文二三年(一五五四)年に僧日義が書写したもので静岡県北山本門寺に伝えられ、また妙本寺本は天文一五年に僧日助が書写して千葉県安房の妙本寺に寄進したものであることが明らかにされている。
それら真字本を仮名交り体に改めて叙述を整したものが静岡県富士大石寺の伝本(大石寺本)であって『曽我物語』と日蓮団との関係は非常に密接である。
日蓮聖人も『秋元御書』で曽我兄弟仇討事件に触れるところがあったが、後の日蓮教団内でも、その哀話が話頭にのぼり『曽我物語』の書写伝承が盛んに行われた状況が推測される。
《『史大辞典』八巻「曽我物語」の項》

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