密迹金剛力士
密迹金剛力士
みっしゃくこんごうりきし
いわゆる仁王尊のこと。
二王とも称す。
仏法の守護神として、寺門の左右両辺に安置される。
向って左側は右手に金剛杵をもって口を開き、向って右側は右肩を高く張りあげ、口を閉じている。
共に筋骨隆々とし、上半身裸像で、怒りの形相をしている。
口の開閉は阿・吽(ア・ウン)の呼吸を表すという。
『大宝積経』に説くところによると、昔、国王があり、二人の妻をもっていた。
第一夫人には一〇〇〇人の子があり、一〇〇〇人とも出家し仏になった。
第二夫人には二人の子があった。
この二人は一〇〇〇人の兄達を保護し、仏法守護の任に当ろうと誓って守護神となった。
これが仁王であるという。
左を密迹金剛、右を那羅延金剛とする説、また、もとは一つの神格で共に密迹金剛とする説など異説がある。
密迹とは、仏に近侍して秘密の事迹を知る意。
なお『法華経』普門品に出てくる「執金剛神」というのは、この金剛力士のことである。
《『遺文辞典』教学篇「執金剛菩薩」の項》