妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

告別式

こくべつしき #1057

告別式

こくべつしき

葬送の儀式には二面の意味がある。 一つは読経引導などによって死者の霊魂の安住を祈ることと、二つには生前つながりのあった人達が故人に別れを告げる式であるという面である。 一の面を中心に考えれば葬儀であり、二の面を中心にみれば告別式であり、これらは本来、別といえる。
現在のように火葬が普及していなかった代(大正代から火葬が普及してきたといわれている)には「野辺送り」といって、場まで棺をかついで行列したのであるが、火葬が普及するようになってからは、葬儀式場で焼香して弔意を表するという形式が定着するようになった。
そして、ごく普通の葬儀の場合には、遺族、親族が参列して屋内で式が営なまれ、同間帯内に一般会葬者は別に設けられた焼香台で焼香するというように、葬儀と告別式とを兼ねた形でつとめられることが多く、社葬などの場合には、まず、ごく近親のみで密葬の後、荼毘に付し、日取りを改めて関係者に通知して本葬儀一時間、引続き告別式というつとめ方が多い。
なお、告別式という呼称は、明治時代の自由民権運動の理論的指導者であった中江兆民が、明治三四年(一九〇一)一二月一三日に没し、その葬儀を行うにあたり、無宗教の葬式をするについて、「葬儀」という呼び方も適切でないというところから、新造語として「告別式」という語を用いたのが始まりであるという。

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