日持聖人遠征記
日持聖人遠征記
にちじしょうにんえんせいき
中村雪堂原作、竹紫梅松・竹柴三都三補綴による歌舞伎脚本、六幕。
わが国の海外布教の祖として知られる六老僧の一、蓮華阿闍梨日持上人を題材に、その蓮永寺引退から蝦夷地(北海道)の開教、満州への出立までを劇化したもの。
明治三五年(一九〇二)一一月の東京市村座に新狂言として掛り、連日信者講中の団体観劇で大評判をとった。
『都新聞』は、一一月一日号より一一回にわたり筋書を連載し、『東京朝日新聞』『読売新聞』『時事新報』各紙も挙って劇評を載せている。
脚本の大要ならびに初演の配役を収録した『市村座新狂言筋書』(浅草・杉田栄吉発行)が現存する。
中村雪堂(なかむらせつどう)(一八四五-一九二八)は、大阪に生れ五歳にして出家し生涯を専心仏祖の報恩に身を委ね、とくに地下に埋没する日持上人の事蹟を調査研究し、論説、演劇等を通じ世に紹介することを任とした。
また自らも上人に殉ずる志を立て、明治二七年、五〇歳で単身北海道に渡り教田開拓に当ること三五年、離島利尻に妙海寺をはじめ四ヵ寺を創建し現地に終っている。
法名は本樹院日応上人。
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