妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

忍の馬頭観世音縁起

しのぶのばとうかんぜおんえんぎ #2150

忍の馬頭観世音縁起

しのぶのばとうかんぜおんえんぎ

加藤清正と愛馬)加藤清正の愛馬の死に因む伝説を古来、説教の因縁話として布教師が用いてきた説話をいう。
ある年のこと、加藤清正が愛馬を急がせて、館林城主福島正則を訪問しての帰途、武蔵の忍(おし)というところまできたとき、馬が急病に倒れた。
いとおしくてならぬ清正は、その土地の名主某に若干の金銀を与え、下人まで留めおいて看病するよう頼んで帰った。
ところが、その名主は下人どもに、いくらかの銭を与えてうまく買収し、その馬を撲殺した。
すると、その夜から馬の怨霊にとりつかれたのか、半狂乱の状態であらぬことを口ばしり始めた。
村の者は怖れおののき、これはまったく名主さまが、欲のあまり、可哀想な殺し方をなされたぢゃというので、近郷の僧を迎えて法華経観世音菩薩普門品一〇〇〇巻の読誦を頼んだ。
さらに馬頭観音を造立して馬の霊を祀りこみ、ささやかな堂まで建てて供養した。
これが忍の観音堂で、別当は大悲観音寺である。

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