尊師実録
尊師実録
ぞんしじつろく
二編。
日大(一三〇九-六九)著。
日大は日尊の弟子、「日尊上人御一期図」と「日尊上人仰云」の二編をいう。
「日尊上人御一期図」は日尊の誕生、信仰受法、身延登山、その後の弘法、遷化について、年代と事歴を簡単に示した略伝である。
末尾に日尊の臨終の様子が詳細に付け加えられている。
「日尊上人仰云」には、次の六項目についての日尊の見解が示されている。
第一、富士門家における法華経方便品読不読の論争について、二には富士門家においては弟子一人が本尊を書写すべきか否かについての「本尊書写の事」、三には日興・日向の対論ありしゆえに、富士門家の末弟が身延に参詣すべきか否かについての「身延山参詣有るべきや否やの事」、四には日蓮聖人在世中に造立された久成の釈迦についての「久成釈迦造立有無の事」、五には捨悪持善の道理をもって、老若貴賤を択ばず、しかも徒らに争論を起さないで弘法すべきことを説いた「後弘通興隆の事」、六には聖僧は檀越の信施を受けるべきであるが、犯僧は受けるべきでないことを説いた「聖犯二類僧徒之事」である。
《『宗全』興尊全集・興門集》