人間日蓮(坂本箕山作)
人間日蓮(坂本箕山作)
にんげんにちれん
坂本箕山(辰之助)の書いた評伝。
昭和一七年(一九四二)一○月に日比谷出版社より刊行。
戦時下の時代風潮を背景に「元寇の時、蒙古来を予言し、国を護れと、火の玉となり、熱弁を以て叫び廻った日蓮聖人の行実」を再検討して「臨戦の心構へ」に資することを目的にしたもの。全四七章。
日蓮聖人を一個の人間として捉え、菩薩の再誕でも貴族の後裔でもなくまた神秘的な怪物でもないと述べ、一漁夫の子として生れ遂に大自覚、大自信をもって四天下を濶歩する自在、神通を得るに至った経歴を示し、法華経の裟婆即寂光の理想から発した宗旨と「至孝の人日蓮上人は、又熱烈なる国士であった」行動を朝らかにすることによって「日蓮の人間味」を強調した。