筵三枚御書
430 筵三枚御書
筵三枚・生和布一篭給了。抑三月一日より四日にいたるまでの御あそびに、心なぐさみてやせやまいもなをり、虎とるばかりをぼへ候上、此御わかめ給て師子にのりぬべくをぼへ候。さては財はところにより、人によて、かわりて候。此身延山には石は多けれども餅なし。こけ(苔)は多けれどもうちしく物候はず。木の皮をはいでしき物とす。むしろ(筵)いかでか財とならざるべき。
億耳居士と申せし長者足のうらにけ(毛)のをい(生)て候し者なり。ありき(歩行)のところ、いへの内は申にをよばず、わたを四寸しきてふみし人なり。これはいかなる事ぞと申せば、先世にたうとき僧にくまのかわ(熊皮)をしかせしゆへとみへて候。いわうや日本国は月氏より十万より(余里)をへだてゝ候辺国なる上、へびす(夷)の島、因果のことわりを弁まじき上、末法になり候ぬ。仏法をば信ずるやうにてそしる国なり。しかるに法華経の御ゆへに名をたゝせ給上、御むしろを法華経にまいらせ給候ぬれば、