妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

上野殿御返事

第二巻 定本番号 20402 弘安4(1281) 分類: その他

祖寿: 60 著作地: 身延 写本: 日興筆富士大石寺蔵

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    402   上野殿御返事
蹲鴟一俵給了。又かうぬし(神主)のもとに候御乳塩一疋、並口付一人候。さては故五郎殿の事はそのなげき(歎)ふり(古)ずとおもへども、御けさんははるかなるやうにこそおぼえ候へ。
なおもなおも法華経をあだむ事はたえつとも見候はねば、これよりのちもいかなる事か候はんずらめども、いまゝでこらへさせ給へる事まことしからず候。仏の説ての給はく、火に入てやけぬ者はありとも、大水に入てぬれぬ者はありとも、大山は空へとぶとも、大海は天へあがるとも、末代悪世に入ば須臾の間も法華経は信がたき事にて候ぞ。
徽宗皇帝は漢土の主じ、蒙古国にからめとられさせ給ぬ。隠岐法王は日本国のあるじ、右京の権大夫殿にせめられさせ給て、島にてはてさせ給ぬ。法華経のゆへにてだにもあるならば、即身に仏にもならせ給なん。わづかの事には身をやぶり命をすつれども、法華経の御ゆへにあやしのとがにあたらんとおもふ人は候はぬぞ。身にて心みさせ給候ぬらん。たうとしたうとし。恐恐謹言。   三月十八日   日蓮  花押   上野殿  御返事