妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

法衣書

第二巻 定本番号 20398 弘安3(1280) 分類: 真蹟現存(完存orほぼ完存)

祖寿: 59 著作地: 身延 真蹟: 中山法華経寺 

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    398   法衣書
御衣布並単衣布給候了。   抑食は命をつぎ、衣は身をかくす。食を有情に施ものは長寿の報をまねき、人の食を奪ものは短命の報をうく。衣を人にほどこさぬ者は世々所生に裸形の報をかん(感)ず。六道の中に人道已下は皆形裸にして生。天は随生衣なり。其中鹿等は無衣にして生のみならず、人の衣をぬすみしゆへに、身の皮を人にはがれて盗衣をつぐのうほう(報)をえたり。人の中にも鮮白比丘に(尼)は生ぜし時、衣を被て生ぬ。仏法の中にも裸形にして法を行ずる道なし。故に釈尊は摩訶大母比丘尼の衣を得て正覚をなり給き。諸比丘には三衣をゆるされき。鈍根の比丘は衣食とゝのわざれば阿羅漢果を証せずとみへて候。殊に法華経には柔和忍辱衣と申て衣をこそ本とみへて候へ。又法華経の行者をば衣をもつて覆せ給と申もねんごろなるぎ(義)なり。
日蓮は無戒の比丘、邪見の者なり。故天これをにくませ給て食衣ともしき身にて候。しかりといえども法華経を口に誦し、ときどきこれをとく。譬へば大蛇の珠を含、いらん(伊蘭)よりせんだん(栴檀)を生ずるがごとし。いらんをすてゝせんだんまいらせ候。蛇形をかくして珠を授たてまつる。天台大師云他経但記男不記女等[云云]。法華経にあらざれば女人成仏は許れざるか。具足千万光相如来と申は摩訶大比丘尼のことなり。此等もつてをしはかり候に、女人の成仏は法華経により候べきか。要当説真実は教主釈尊の金言、皆是真実は多宝仏の証明、舌相至梵天は諸仏の誓状なり。日月地に落べしや、須弥山はくづるべしや、大海の潮は増減せざるべしや、大地は翻覆すべしや。此御衣の功徳は法華経にとかれて候。但心をもつてをもひやらせ給候へ。言にはのべがたし。