妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

御衣並単衣御書

第二巻 定本番号 20195 建治1(1275) 分類: 真蹟現存(完存orほぼ完存)

祖寿: 54 著作地: 身延 真蹟: 中山 法華経寺 

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    195   御衣並単衣御書
御衣布、並御単衣給候了。  鮮白比丘尼と申せし人は、生させ給て御衣をたてまつりたりけり。生長するほどに次第にこの衣大になりけり。後に尼とならせ給ければ法衣となりにけり。ついに法華経の座にして記をさづかる。一切衆生喜見如来これなり。
又法華経説人は、柔和忍辱衣と申て必衣あるべし。物たねと申もの、一なれどもうえぬれば多となり、龍は小水を多雨となし、人は小火を大火となす。衣かたびらは一なれども、法華経にまいらせさせ給ぬれば、法華経の文字は六万九千三百八十四字、一字は一仏なり。此仏は再生敗種を心腑とし、顕本遠寿其寿とし、常住仏性を咽喉とし、一乗妙行を眼目とせる仏なり。応化非真仏と申て、三十二相・八十種好の仏よりも、法華経の文字こそ真の仏にてはわたらせ給候へ。仏在世に仏を信ぜし人は仏にならざる人もあり。仏滅後に法華経を信ずる人は無一不成仏如来の金言なり。
この衣をつくりて、かたびらをきそい(著添)て、法華経をよみて候わば、日蓮は無戒の比丘なり、法華経は正直の金言なり。毒蛇の珠をはき、伊蘭の栴檀をいだすがごとし。恐々謹言。  九月二十八日   日蓮  [花押]  御返事