妙心尼御前御返事
192 妙心尼御前御返事
すずの御志送給候了。をさなき人の御ために御まほり(守)さづけまいらせ候。この御まほりは、法華経のうちのかんじん、一切経のげんもく(眼目)にて候。たとへば、天には日月、地には大王、人には心、たからの中には如意宝珠のたま、いえにははしらのやうなる事にて候。このまんだら(曼荼羅)を身にたもちぬれば、王を武士のまほるがごとく、子ををやのあいするがごとく、いを(魚)の水をたのむがごとく、草木のあめをねがうがごとく、とりの木をたのむがごとく、一切の仏神等のあつまりまほり、昼夜にかげのごとくまほらせ給法にて候。よくよく御信用あるべし。あなかしこあなかしこ。恐恐謹言。 八月二十五日 日蓮 [花押] 妙心尼御前御返事