御衣布給候御返事
書下し
御衣布給候御返事
[1]御衣布給ひ候ひ了んぬ。
[2]この御ぬのは一切の御ぬのにて候ふ。また十二いろはたふやかに候ふ。御心ざしの御事はいまにはじめぬ事に候へども、ときにあたりてこれほどの御心ざしはありぬともをぼへ候はず候ふ、かへすがへす御ふみにはつくしがたう候ふ、恐恐。
[3]乃 時
[4]<人>日 蓮<花押>花押花押>人>
[5]<先>御返事先>
現代語訳
御衣布給候御返事
文永年間(一二六四—一二七五)於身延、和文、定二八七三頁。
[1]法衣用の御布を頂戴いたしました。
[2]この御布は十分で不足ありません。また、十二色は豪勢なものです。貴殿がお示しくださる御志の深さは今に始まったことではありませんが、時が時だけに、これほど懇切なご供養をいただくことがあろうとは思っていませんでした。かえすがえすもありがたく、その感謝の気持ちは手紙には書きつくすことができないほどです。恐恐。
[3]乃 時
[4]<人>日 蓮 <花押>花押花押>人>
[5]<先>御返事先>