妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

是日尼御書

全集 第7巻 2段 定本: #20284(定本の該当ページへ)

書下し

是日尼御書ぜにちにごしよ


[1](前欠)ぬ。さどの国よりこの甲州まで入道の来たりしかば、あらふしぎやとをもひしに、また今年来て「な(菜)つみ、水くみ、たきぎこり」。だん(檀)王の阿志仙人*あしせんにんにつかへしがごとくして一月に及びぬる不思議さよ。ふで(筆)をもちてつくしがたし。これひとへにまた尼ぎみの御功徳なるべし。また御本尊一ふくかきてまいらせ候ふ。霊山浄土*りようぜんじようどにてはかならずゆきあひたてまつるべし。恐恐謹言。
[2]<日>卯月十二日
[3]<先>尼是日
現代語訳

是日尼御書


弘安元年(一二七八)四月一二日、五七歳、於身延、和文、定一四九四頁。

[1](前欠)た。去年、佐渡の国からこの甲州身延山まで、入道がおいでになったので、ほんとうに奇特なことだと思っていましたところ、また今年も来山して、法華経・提婆達多品だいばだつたほんの、須頭檀王すずだんおう阿私仙人あしせんにんに長いあいだ仕えた話のように、「菜摘なつみ、水汲みずくみ、薪樵たきぎこり」して一か月間も奉仕してくださったのは、常識では考えられないほどありがたいことです。感謝の気持ちは筆舌に尽くせません。これもひとえに、尼君の厚いご信仰心があったから実現したことでありましょう。それにつけても御本尊を一幅書いて進呈いたします。この世ではお会いできそうにもありませんが、来世には必ず霊山浄土でお目にかかりましょう。恐恐謹言。
[2]<日>四月十二日
[3]<先>尼是日