窪尼御前御返事
書下し
窪尼御前御返事
[1]すず(種々)の御供養送り給ひ了んぬ。
[2]大風の草をなびかし、いかづちの人ををどろかすやうに候ふ。
[3]よの中にいかにいままで御しんよう(信用)の候ひけるふしぎさよ。
[4]ねふかければ葉かれず、いづみ(泉)玉あれば水たえずと申すやうに、御信心のねのふかく、いさぎよき玉の心のうちにわたらせ給ふか。たうとし、たうとし。恐恐
[5]<日>六月二十七日日>
[6]<人>日 蓮<花押>花押花押>人>
[7]<先>窪尼御前御返事先>
現代語訳
窪尼御前御返事
弘安元年(一二七八)六月二七日、五七歳、於身延、和文、定一五二五—一五二六頁。
[1]種々の御供養の品をお送りいただきました。お礼申し上げます。
[2]大風が草を靡かすように、また雷が人を驚かすように、邪教がはびこって人心を攪乱している世の中ですのに、あなたが、法華経の行者である私を、今にいたるまで長い間信頼してくださっているのは、どうした因縁によるものかと不思議にさえ思われます。
[3]
[4]根が深ければ葉は枯れず、泉に玉があれば水は絶えないといわれているように、あなたは、ご信心の根が深く、純潔な玉が心の中におありになるのでしょうか。尊いことです。貴いことです。恐々。
[5]<日>六月二十七日日>
[6]<人>日 蓮 <花押>花押花押>人>
[7]<先>窪尼御前御返事先>