松野尼御前御返事
書下し
松野尼御前御返事
[1](前欠)と申す鳥となれり。日本国の人にはにくまれ候ひぬ。みちふみわくる人も候はぬに、をもいよらせ給ひての御心ざし、石の中の火のごとし。火の中の蓮のごとし。ありがたく候ふ、ありがたく候ふ。恐恐
[2]<日>正月二十一日日>
[3]<人>日 蓮<花押>花押花押>人>
[4]<先>松のの尼御前御返事先>
現代語訳
松野尼御前御返事
建治四年(一二七八)正月二一日、五七歳、於身延、和文、定一四三六頁。
[1](前欠)という鳥となりました。私は日本国じゅうの人に憎まれています。山道を踏み分けて訪れてくる人もありませんのに、このたびお心をお寄せくださってお届けいただいたご供養の品々、たとえば石の中の火のように、火の中の蓮のように、得がたく貴重なものです。ありがとうございました。お礼申し上げます。恐々。
[2]<日>正月二十一日日>
[3]<人>日 蓮 <花押>花押花押>人>
[4]<先>松野の尼御前御返事先>