南條殿御返事
書下し
南條殿御返事
[1]はくまい(白米)ひとふくろ、いも一だ(駄)給ひ了んぬ。
[2]そもそも故なんでう(南條)の七らうごらうどのの事、いままではゆめ(夢)かゆめか、まぼろし(幻)かまぼろしかとうたがいて、そらごととのみをもひて候へば、この御ふみにもあそばされて候ふ。さてはまことかまことかと、はじめ(始)てうたがいいできたりて候ふ。(後欠)
現代語訳
南条殿御返事
弘安三年(一二八〇)九月ごろ、五九歳、於身延、和文、定一七九四頁。
[1]白米一袋、芋一駄お送りいただきました。御礼申し上げます。
[2]そもそも南条七郎五郎殿が亡くなられたということを耳にし、今までは、夢ではないか夢ではないか、幻想ではないか幻想ではないかと疑って、誤報であろうとばかり思っていましたが、今拝見したお便りに、それが事実であるとお書きになっていらっしゃいます。そこで今度は、ああ、やはり本当であったのか、間違いではなかったのかという疑問が涌いてきました。(後欠)