上野郷主等御返事
書下し
上野郷主等御返事
[1](前欠)昔の徳勝童子は土のもちゐを仏にまいらせて一閻浮提の主となる。今の檀那等は二十枚の金のもちゐを法華経の御前にささげたり。後生の仏は疑ひなし。なんぞ今生にそのしるしなからむ。恐恐。
[2]<日>正月十一日日>
[3]<人>日 蓮<花押>花押花押>人>
[4]<先>上ののがうす等のとのばら先>
現代語訳
上野郷主等御返事
弘安二年(一二七九)正月一一日、五八歳、於身延、和文、定一六二二頁。
[1](前欠)昔の徳勝童子は、土の餅を仏に供養した功徳で、この世に生まれて世界を統治する阿育王となりました。今の貴殿たちは、黄金のように貴重な二十枚の餅を法華経のご宝前に捧げました。後生の成仏は疑いありません。いやそればかりか、今生でもどうしてご利益をいただけないことがありましょうか。恐々。
[2]<日>正月十一日日>
[3]<人>日 蓮 <花押>花押花押>人>
[4]<先>上野郷主等の殿たちへ先>