妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

越州嫡男並妻尼事

全集 第6巻 2段 定本: #20414(定本の該当ページへ)

書下し

越州嫡男並妻尼事えつしゆうちやくなんならびにさいにのこと


[1]九月九日の鴈鳥がんちよう、同十月二十七日、飛来つかまつり候い了んぬ。
[2]そもそも越州えつしゆう嫡男ちやくなん、並びに妻尼さいにの御事、是非を知らざれども、この御一門の御事なれば、謀反むほんよりのほかは異島流罪は過分の事か。はたまた条三郎左衛門尉殿の便風、今に参り付かざるの条、何事ぞや。定めて三郎左衛門尉殿より申す旨候か。
[3]予殿の事、存外の性情、智者なり。当時学問なく(後欠)
現代語訳

越州嫡男並妻尼事


弘安四年(一二八一)一〇月二七日、六〇歳、於身延、富木常忍宛、原漢文、定一八八九頁。

[1]九月九日付のお手紙、同十月二十七日に到着いたしました。
[2]さて、越州の嫡男(北条修理亮時光ほうじようしゆりのすけときみつ)とその妻尼が流罪に処せられたとのこと、その是非については存じませんが、北条一門の御事でありますから、謀反でもない限り、遠島への流罪は過酷な処罰でありましょう。それにしても、この件について四条三郎左衛門尉(四条金吾きんご)殿の便りがまだ届かないのは、どうしたことでしょうか。きっと三郎左衛門尉殿から何か連絡があるでしょう。
[3]伊予殿(日頂)は、きだてがよく、智者であります。現在学問に精進して…(後欠)