富城入道殿御返事
書下し
富城入道殿御返事
[1]〔鵞目一結、給び候い了んぬ。御志は挙げて法華経に申し候い了んぬ。定んで十羅刹、御身を守護すること疑いなく候か〕。
[2]さては尼御前の御事、をぼつかなく候由、申し伝へさせ給ひ候へ。恐々謹言。
[3]<日>卯月十日日>
[4]<人>日 蓮<花押>花押花押>人>
[5]<先>富城入道殿御返事先>
現代語訳
富城入道殿御返事
弘安三年(一二八〇)四月一〇日、五九歳、於身延、和漢混淆文、定一七四六頁。
[1]銭一貫文、たしかに拝受いたしました。御芳志のほどはすべて法華経の御宝前に言上いたしました。きっと法華経の守護神である十羅刹女が貴殿をお護り下さることは疑いないでしょう。
[2]ところでまた、奥様のご病気のこと、私が気がかりに思っていると、ご伝言下さいませ。つつしんで申し上げました。
[3]<日>四月十日日>
[4]<人>日 蓮 <花押>花押花押>人>
[5]<先>富城入道殿御返事先>