石本日仲聖人御返事
書下し
石本日仲聖人御返事
[1](前欠)同時に二仏に亙るか。はたまた一方は妄語なるか。近来、念仏者天下を誑惑するか。早々御存知あるべきか。抑も駿馬一疋、追い遣わさる事、存外の次第か。事々見参の時を期す。恐恐謹言。
[2]<日>九月二十日日>
[3]<人>日 蓮<花押>花押花押>人>
[4]<先>石本日仲聖人御返事先>
[5]この間の学問ただこの事なり。また真言師等に奏問し給うの由、風聞せしむ。
現代語訳
石本日仲聖人御返事
建治三年(一二七七)九月二〇日、五六歳、於身延、石本日仲聖人宛、原漢文、定一三九八頁。
[1](前欠)われらの本尊は同時に釈迦・弥陀の二仏にわたるのか、あるいは一方の仏は偽りなのか。近ごろ、念仏者は釈迦を捨て、弥陀を信奉するという誤った考えを述べ、世間を誑惑しています。急ぎその大事を知るべきでしょう。また、思いもかけず駿馬一匹をありがたく賜わりました。詳しくはお目にかかったとき申し上げます。恐恐謹言。
[2]<日>九月二十日日>
[3]<人>日 蓮 <花押>花押花押>人>
[4]<先>石本日仲聖人御返事先>
[5]いままで修めてきた学問は、この邪義を破し、正義をたてるためです。また真言師たちが奏問したとのうわさも聞いています。十分な注意が必要です。