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十住毘婆沙論尋出御書

全集 第5巻 2段 定本: #14(定本の該当ページへ)

書下し

十住毘婆沙論尋出御書じゆうじゆうびばしやろんたずねいだしごしよ


[1]昨日、武蔵前司むさしのぜんじ殿の使として、念仏者等召相めしあわせられて候しなり。又十郎の使にて候はんずるか。十住毘婆沙論を内内〔見るべき〕事候。〔万事をなげうちて〕尋ね出だし給ひ候へ。
[2]<日>十月十四日
[3]<人>日 蓮<花押>花押
[4]<先>武蔵公御房*むさしこうごぼう
[5]〔十住毘婆沙論十四巻拝上せしむ。今一巻は求め失せ候なり。御要以後は早早返し給わるべく候〕。愚身も必必参り候て〔承わるべく候〕。〔昨日の論談=五十展転てんでん随喜ずいき誠に以て有り難く候。また袴品賜わるべし〕。穴賢穴賢。恐々。
[6]<日>十月十一日
[7]<人>判
[8]<先>日蓮阿闍梨御房
現代語訳

十住毘婆沙論尋出御書


正元元年(一二五九)一〇月一四日、三八歳、於鎌倉、武蔵公宛、和漢混交文、定八七—八八頁。

[1]昨日、武蔵の前司北条朝直殿の使者としてきた念仏者たちと対決論談しました。あるいはその使者は、十郎の使者であったかも知れません。浄土教批判のためには、十住毘婆沙論を内々に読んでおかねばなりません。万難を排して探し出していただきたいと存じます。
[2]<日>十月十四日
[3]<人>日 蓮 <花押>花押
[4]<先>武蔵公御房
[5]十住毘婆沙論十四巻を謹んでお届けします。この内の一巻は、ついに探し求めることができませんでした。御用が済みましたら早めにお返しいただきたいと存じます。私も談義には必ず参り、聴聞させていただきたいと思っています。昨日の談義も、聞く者の功徳は展転してその福を受けることでしょう。まことにありがたく拝聴しました。また、袴品は頂戴するのがよいと存じます。
[6]<日>十月十一日
[7]<人>判
[8]<先>日蓮阿闍梨御房