妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

垂迹法門

第三巻 定本番号 3 康元1(1256) 分類: その他

祖寿: 35 著作地: 遊学中 

    9   垂迹法門
日本国中、社数三千一百三十二所あり。仏法の住所は一万一千三十七所也。
水は濁りて流るれども又すみ、月は雲かくせども、又はるゝことはりなり。仏法をば第六天の魔王・外道も怨をなせども、仏法弥弘まりぬ。其様に水はにごりて流るれども、本清ければ又返て清くなりぬる様に、人は怨をなせども、本より心すぐ(直)なれば、仏神守をくはへ給也。古の賢人の常の言に、水至てきよければ魚住事なし、人至て賢こければ友なしといへども、天の加護し給所也。七星在頂隠勿犯用と申は、北斗七星は常に頂にあり、我が罪科を少もかくす事なかれと申心也。されば神明は正直の者の頭には住給也。不正直の者の頭には宿り給はず。
悲華経云我滅度後於末法中現大明神利益衆生と申文の心は、我滅度後の末法の中に於て、大明神と顕れて衆生を利益すべしと申文也。されば末法と申は当時を申也。今時の垂迹和光は、是皆本地釈迦如来の化身也。此旨委く可得意也。先悲華経と申は釈迦如来の昔の事を説給ひ、又五百大願のありさまを説給を申也。されば明神と申は諸仏如来の御神也と昔大師も釈し給也。   日蓮  花押