妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

師子頬王鈔

第三巻 定本番号 3 寛元4(1246) 分類: その他

祖寿: 25 著作地: 遊学中 

    3   師子頬王鈔
五天竺の内、中天竺摩訶提国、師子頬王の太子四人在す。浄飯王・斛飯王・白飯王・甘露味繞王也。善覚長者むすめ八人有。四人の王に二人づゝ合す。第一第八は浄飯王の后也。第八摩耶夫人は太子御誕生ありて七日に死せ給。死するには故有て死也。一は悦極ぬれば死す。二は金剛をはらむ故に死す。故に太子は曇弥にそだてらる。一にはをば(姨母)、二にはまゝ母、三には養母にて有ぬ。されば三徳を蒙る。苦行六年の間、一日に麦一、胡麻一を食給き。王宮よりしては五人の御弟子あり。所謂拘隣・・跋提・迦葉・拘利太子。此内三人は落ぬ。楽行六年の間には、五人の内二人あり、又落ぬ。
さて仏成道の時参て有し時、此五人の為阿含経を説給き。是皆仏にしたしき人人也。舎利弗は仏より已前に死す。迦葉は仏滅後二十年が間、小乗経を弘通して死す。其後二十年の間、阿難小乗を弘通せし也。観経等を持て死也。商那和修小乗を二十年弘通して死す。多二十年弘通して死す。提多迦二十年弘通して死す。已上一百年一向小乗也。弥遮迦・脇比丘より至四百年、粗権大乗の義を云といへども明ならず。月夜知たる人に如向。