伯耆公御房御消息
428 伯耆公御房御消息
御布施御馬一疋鹿毛令入御見参候了。兼又此経文は二十八字、法華経の七巻薬王品の文にて候。然に聖人の御乳母のひとゝせ(一年)御所労御大事にならせ給い候て、やがて死せ給いて候し時、此経文をあそばし候て、浄水をもつてまいらせさせ給いて候しかば、時をかへずいきかへらせ給いて候経文也。なんでうの七郎次郎時光は身はちいさきものなれども、日蓮に御こゝろざしふかきもの也。たとい定業なりとも今度ばかりえんまわう(閻魔王)たすけさせ給へと御せいぐわん候。明日寅卯辰の刻にしやうじがは(精進河)の水とりよせさせ給い候て、このきやうもん(経文)をはい(灰)にやきて、水一合に入まいらせ候てまいらさせ給べく候。恐恐謹言。 (弘安五年)二月二十五日 日朗 花押 謹上 はわき公御房